根室半島チャシ跡群(国指定史跡・日本100名城!)

根室半島はアイヌ文化遺跡の宝庫でした

北海道と言えば蝦夷、蝦夷と言えば、アイヌ民族、アイヌ民族と言えばチャシというほど、北海道にはチャシの遺跡が500以上存在。その中で、根室半島だけで32ヶ所あり、そのうち24ヶ所が「根室半島チャシ跡群」として国指定史跡に認定(1983年・昭和58年)されています。また、日本城郭協会が定める日本100名城の「お城番号1番」となっていることはあまり知られていない(2007年・平成19年認定)。根室といえば「日本本土最東端」ばかりが取り上げられますが、こういった、なかなかのマニアックな土地でもあるわけです。

そんな「根室半島チャシ跡群」ですが、国の史跡に指定されているにもかかわらず、一般観光客が立ち入りできるのはわずか2ヶ所のみ。ノッカマップ岬灯台が建つ「ノツカマフ1・2号チャシ跡」と、納沙布岬ちょい手前の「ヲンネモトチャシ跡」です。どちらも小さな未舗装駐車場が完備されており、チャシ跡までの遊歩道が整備されています。ただ、残念なのは、現地に足を運んでもパッと見全容を把握できないという点。縄文遺跡のように復元された竪穴式住居のようなものがあるわけではなく、ただの「跡」なので、空撮などで上から見なければよく判りません。ですので、現地では、そこから見渡せる光景の中にどのような営みがあったのか、という想いを馳せることが重要です。

納沙布岬周辺スポットマップ

ノツカマフ1・2号チャシ跡

ノツカマフ1号チャシ跡

幅5m深さ約3mの半円形の壕が、70m×25mの範囲で2つ連結しており、壕の内側に盛土が観察できます。と案内板に記載があるのですが、写真みて判りますでしょうか?たぶん判らないでしょうね〜・・・・。なので、下記にLINKのGooglemapの衛星画像でご確認下さい。なお、この場所はアイヌ民族と和人の大規模な争いがあった「クナシリ・メナシの戦い」の史跡としても重要なところです。訪れる予定であれば、事前に予習しておくと感慨の深さがグッと変わることでしょう。

道道36号沿いに整備されたチャシ入口と駐車場の様子

よく整備された遊歩道を300mほど歩きます。晴れた日は海風が気持ちイイ

1号チャシ跡には立派な説明板が設置されている

2号チャシ跡には説明板はなく標柱が建つのみ。円形の広場のようで1号より見通しがよく史跡であることが判る


クナシリ・メナシの戦い
  根室や厚岸、クナシリ島のアイヌ民族と交易を行っていた飛騨屋という民間の商人が、アイヌ人に対して暴力や脅迫行為を行うなど、不当な扱いを続け、1789年、それに対して130人のアイヌ人が蜂起し、和人71人を殺害するという事件が発生。生き残った和人は4人だけだったという。そのため松前藩は、鉄砲や大砲を備えた鎮圧隊260人をノッカマップに派遣。ところがアイヌ側は交戦を避け松前藩の取り調べに従順。和人の殺害に対して主導した首謀者ら37人のみをノッカマップにて処刑した。松前藩は飛騨屋の横暴も認め、アイヌの首長などには責任を取らせることはなく、飛騨屋からは交易権を剥奪。処刑された37人の遺体はノッカマップの地に埋葬されたが正確な位置は不明で、現在のノッカマップ灯台の周辺だろうとされており、毎年9月末に、アイヌの人達により、現地で「イチャルパ」(アイヌ語で供養祭)が現在でも行われている。この供養は、犠牲となったアイヌ37人のみならず、和人71人も含まれている。

 

ノッカマップ灯台

ノツカマフ1・2号チャシ跡からは少し離れたところにあるノッカマップ灯台。アクセス路が相当荒れているため、クルマなら4WD車、バイクなら軽量のオフ車、あるいは徒歩でしか行けないという超マイナーポイント。だだっ広い草原の中に白黒ストライプの灯台が建つのみで、思う存分最果て感を味わうことができるスポット。2018年の取材では灯台の修理工事のため立入禁止。それに伴い悪名高い未舗装路に分厚い砕石を敷いて工事車両を通していたため、工事が終わると以前よりアクセスは良くなる可能性がある。2019年に再取材するのですぐに情報提供します。

ノツカマフ1・2号チャシ跡

ヲンネモトチャシ跡

ヲンネモトチャシ跡

現在の温根元漁を西側から見下ろす台地にチャシがあった。漁港からはお供え餅のように見えるとか。このチャシ跡の周囲には、約1,500年前のオホーツク文化期の竪穴住居もあり(現地に看板はあるが、様子は確認できない)、人が営むには恰好の場所であることが伺える。

駐車場はあるが未舗装で狭い

チャシ跡までは250m歩くが、よく整備されている。さすが国指定史跡

途中に立派な説明板が設置されている

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