拝啓、旅人様。

旧海軍飛行場滑走路跡・掩体壕(えんたいごう)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

北海道各地に残る戦争遺構、根室半島にもバッチリ残っている!

根室の市街から東へ6kmほどの牧の内地区に旧海軍の軍事飛行場があった。根室第2飛行場が正式名称。1943年9月から工事が始まり、2年後の1945年6月に完成。幅80m全長1200mの滑走路で、終戦間近の完成であり、どれほど活躍したのかは想像に難くない。周辺には大小合わせて36基の掩体も造られ、現在でも数基を間近で見られます。この手の軍事施設は、終戦後GHQにより解体され消滅するか、民間に払い下げられ農地に転用されているケースが大半ですが、ここのように当時の姿が見事に残っているのは非常に珍しい。筆者は軍事マニアでも廃墟オタクでもないのですが、このような大規模な戦争遺構が残っているという事実に感動を覚えます。

納沙布岬周辺スポットマップ

滑走路へは南端部にアクセス路があります。漁具などの搬入路で、特に立入禁止の表示はありませんが、入る場合は重々恐縮して入りましょう。また、関係者がいた場合は許可を得ましょう。肝心の滑走路ですが、長年の風化でコンクリートはボロボロです。クルマの走行は出来ますが、もはや滑走路の態を成していません。まさに、遺構然としています。

滑走路は道道1064号に沿って見ることができます。路肩に車両を停めての撮影も可能です。が、長い滑走路を真横から見ても、漁具置き場として利用していることもあり、ただの広場にしか見えません。

掩体壕(えんたいごう)

掩体壕(えんたいごう)とは、敵の攻撃から物資や人員を守るための施設で、画像にある大型の掩体は、主に飛行機を格納し、直接攻撃から守るために使用していたもの。かまぼこ型の屋根がある有蓋掩体壕と屋根がない無蓋掩体壕とがあります。この飛行場では周囲に36基の有蓋掩体壕・無蓋掩体壕が造られたが、現在は大半が農地・牧場となり、7基が現存しているものの、観光レベルで見られるのは2〜3基。その中でも、農地の中にあり遠望のみ可能が1基、樹木に遮られ夏場は直視できないのが1基、まともに見ることが可能なのは、写真の1基のみとなります。この1基は離農した農家の敷地にあり、人はいないのですが、むやみに立ち入らず外観の撮影にとどめるべきでしょう。

離農した農家の敷地にある掩体壕

農地の中にあり遠目にしか見ることができない掩体壕

掩体壕まで未舗装700mありますが、フラットダートで走りやすい

モバイルバージョンを終了