素通りしがちな留萌市内のスポット5選

観光資源に乏しい留萌ですが、ちょこっと立ち寄れるスポットあります

留萌市といえば、北海道の日本海側を北上するルート、オロロンラインの半ばにあり最大の市街地。ところが観光という視点から見ると、これといった見どころがない街でもあります。そんな留萌市ですが、観光資源がまったくないわけではありません。まぁ〜マイナースポット、マニアックスポット級ではありますが、興味のあるスポットがあればぜひお立ちより願いたい。

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黄金岬海浜公園

「日本の夕陽百選」や「世界3大波濤」に選ばれている黄金岬ですが、現地を訪れると、特別な感動は得られないでしょう。どこにでもあるような普通の岩礁の海岸なのです。しかし、現地に立つ標柱にあるように、岬一帯に広がる岩礁は「カンラン石玄武岩柱状節」で構成されています。えっ、何それ?と思いの諸氏が大半でしょうか。柱状節理は日本各地で見られる火山性溶岩で、特別珍しくはないのですが、カンラン岩という点がキモ! カンラン岩は地上付近では生成されない岩石で、地下の深い地点でしか生まれない岩石。これが黄金岬を構成しているワケなので、地質学的には非常に興味あるところなのです。えっ、地質って興味ない!ですよね〜タモリじゃないし・・・・。で、この岬は、世界3大波濤に選ばれたように、冬の厳しさは想像を絶するところのようです。夏場はそのような牙をむいた場面に遭遇はしないでしょうが、タダの岬ではないのだ!と、感じてくれればと思います。

海のふるさと館

黄金岬に接する高台にある市立の博物館。なんと入館料は無料なのですが、無料だからと侮れない展示内容になっています。平成元年(1989年)に開館した施設で、21年目を迎える2009年に廃館の予定でしたが、紆余曲折があり、継続することになっています。さて、この施設の内容ですが、いわゆる郷土資料館です。けっこうお金をかけただろうという感じの展示室ですが、これで無料ですから文句はなし。30分おきに上映される「留萌みなと物語」はモロ観光ビデオなのですが、知られざる留萌を知るという点でまずまず面白い内容です。資料展示は月並みな内容ですが、この手の施設が好きな人なら合格点の範囲でしょうか。また、2階にガラス張りの展望ルームがあり、さらにその上の屋上が展望台となっています。波濤の海「黄金岬」を一望することができます。なお、屋上展望台へは、外部階段から直接登ることもできます。

【住所】留萌市大町2-3-1
【電話】TEL:0164-43-6677
【入館料】無料
【開館時間】9:00~18:00
【休館日】期間中無休(10月下旬〜4月下旬:冬期閉館)
【滞在目安時間】20分
【駐車場】あり/無料

波灯の女灯台(はとうのひととうだい)

2007年7月16日に初点灯した、女性像のブロンズ製灯台。一風変わった灯台をデザイン灯台といいますが、ここまで斬新なものは日本初といってもいいでしょう。元木材業を営んでいた山口さんが、使用目的に「観光の起点になるものを造るように」という条件で、留萌市に5,000万円を寄付。留萌市や商工会議所などで検討委員会を発足し、最終的にこの奇抜な灯台製作が決まったという経緯です。灯台の名称も一般公募され、留萌高校の女子生徒が命名者となっています。なお、燈火の部分は、回転燈式ではなく、LED光源のフラッシュ発光となっています。これでも5キロ洋上まで届くそうです。高さは6.65mとさほど高くはありませんが、灯台として見ると非常に訪れ甲斐のあるスポットといえます。ちなみに、灯台機能としては3秒毎に発光しています。夜間に訪れてみるのも一考です。黄金岬キャンプ場を利用の際は、忘れずに足を運んで見てください。

望洋公園

留萌港は北海道有数の国際港。ちょっと意外に感じますが、1936年(昭和11年)に国際貿易港に指定されており、現在では旭川を中心とした上川地方の流通拠点港となています。そんな留萌港は、1910年(明治43年)から築港を開始。第2次工事の1929年(昭和4年)〜1931年(昭和6年)にかけて南北防波堤が完成し、現在の港の原型が造られました。この時建てられた「赤灯台」という名称で市民に親しまれてきた「留萌港西突堤灯柱」があります。60年の役目を終え1997年(平成9年)に撤去されましたが、市民から歴史的遺産として保存したいとの要望があり、留萌港を見下ろすここ望洋公園に移築されました。現在の留萌港は、築港以来幾多の改修が繰り返され、第1次、第2次築港時の遺構はこの灯台のみで、重要な歴史的建造物となっています。外観は痛みが激しくボロボロですが、いまだに真っ赤な威容は訪れた人に強印象を与えます。この手の遺構に関心がある人にはお薦めのスポットといえるでしょう。また、公園内には「松浦武四郎踏査の地」碑があります。 1995年(平成7年)留萌の初踏査から150年周年を記念し、留萌郷土史研究会が建立したものです。地味ながら、なかなか面白いポケット公園なのです。

「松浦武四郎踏査の地」碑

公園から留萌港を見下ろす

千望台

留萌市街地の南側に海抜180mほどの丘陵地帯があります。その最上部に設けられたのが千望台。留萌港と市街地を一望できるところですが、けだし絶景感はありません。高いところからの展望が大好き!という諸氏向けのポイントでしょうか!? 駐車場脇には「サンセット千望台」という軽食喫茶があり、展望を楽しみながら食事ができます。また、一段下がったところには「平和の碑」という、樺太からの引き揚げ船が、旧ソ連の潜水艦により撃沈された事件の慰霊碑があったのですが、いつの間にか撤去されていました。ちょっと不安定な石碑だったので危険除去のためでしょうか。この碑はそれなりに見応えがあり、千望台へ足を運ぶ目的にもなったので残念です。幹線からかなり外れた場所でもあり、凄い好きか、時間がモリモリ余っている旅人向けのスポットです。

とにかく電波塔が残念。これがなければもっと高い点が付いたでしょう

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