太平洋に向かい鋭角に突き出ている襟裳岬。襟裳岬から庶野にかけて弓なりにのびる百人浜。衛星写真をよく見ると、砂浜はこの百人浜のみで、それ以外は岩礁と断崖の海岸となっています。なぜここだけが砂浜なのでしょうか?ぜひ、タモリに来て頂いて解明して頂きたいものです。
さて、まずは百人浜という名称が気になります。1816年(文化13年)南部藩の御用船が難破。乗員100人が犠牲になり、その多くがこの浜に打ち上げられたことから名付けられたという。まるで心霊スポットばりの逸話なのですが、それを裏付けるかのように、江戸時代に建立された立派な供養塔も建っています。この供養塔の裏には周囲400mの悲恋沼があります。名称が悲恋なのですが、こちらは船の遭難とは関係なし。そして、美しい弓なりの浜と緑化事業の観察展望台。これらが百人浜スポットの見どころになります。
いきなりメインの緑化観察展望塔へ参りましょう。周辺は通路などよく整備されています
外観は木造のようですが、実は鉄骨製
緑化前の写真が掲示されており、まさにビフォー&アフターを見られる
展望台の最上部。周囲には遮るものがないため、なかなかの好展望
現在進行中の緑化事業を見下ろせます。眼下の通路を進むと浜辺に出られます
悲恋沼も一望
砂浜に出ると襟裳岬まで見通せる弓なりの浜が美しい
展望台駐車場の脇にある「一石一字塔」。小さな観音堂もありその位置はすぐに判ります。この石碑は襟裳沖で遭難した船舶と乗員の供養塔で、建立には江戸幕府も関わっていることから、蝦夷地統制の歴史的史料としての価値は高いという。建立は1806年(文化3年)で、百人浜の由来となった難破事件の10年前ということになります。それほどこの海域での遭難が多発していたということです。なお、この石碑は当初、現在地より北東へ2.5kmほどにある在田川の河口に建てられたのですが、1956年(昭和31年)に当地に移設されています。
北海道において200年以上前の石碑ですからかなり貴重です
駐車場との位置関係
アイヌの娘と和人青年の叶わなかった恋伝説の沼。娘の涙がこの沼になったという。周囲400mの小さな沼ですが、しっかりした木道が整備されています。6〜7月の頃には原生花園となります。道路からはチラッとしか見えず、アクセスもどこなのか判りにくいため、訪れる人は実に少ない。
駐車場の東側に入口があるものの、実に判りにくい
無名に近いスポットながら木道が整備されている
【住所】幌泉郡えりも町庶野
【電話】TEL:01466-2-2241/えりも観光協会
【料金】無料
【開場時間】9:00〜17:00/展望台
【定休日】期間中無休
【滞在時間】30分
【駐車場】あり/無料
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