信じる者は救われる?義経神社

よくも悪くも面白い、源義経を祀っている神社

源義経は岩手の平泉で自刃したのではなく、生きて北海道・中国大陸へ渡りチンギスハーンになったという義経北行伝説。北東北・北海道の各地にその伝説が根強く残っています。この神社の創建は、1799年(寛政11年)蝦夷地の調査・探検に訪れた幕府の役人である近藤重蔵らが義経のご神体を安置し祀ったのが始まりとか・・・。しかし、ご一行は600年も前の人物のご神体をどうやって手に入れたのでしょうかねぇ〜。また本殿の脇には義経の母である「常盤御前」と妾の「静御前」の供養墓まである。さらにさらに、この神社の御利益は、初午、先勝、馬体安全であるとなっている。これは、戦に長けていた義経は優秀な愛馬があればこそであるから、当社で祈願すれば御利益があるということ成り。いや〜なかなか上手いこじつけであるが、そもそも御利益なんていうものは正体不明なものなので、これはこれでありと一笑でしょう。

また、境内には義経資料館がある。管理人はおらず入館料は用意してある箱にチャリンと入れてくださいという趣向。内容もかなり質素。有料とはやや辛いかも。そんな陳腐な神社かと思いきや、けっこうな観光客が訪れます。う〜んさすが義経です。ネームバリューの成せる技でしょうか。

日高・平取スポットマップ

源義経北行伝説とは
鎌倉幕府の創設者、源頼朝の弟である義経であったが、兄の逆鱗に触れ奥州平泉にて弁慶と共に討たれたというのが歴史的解釈。しかしこれを後世に伝える書物は、頼朝の時代から100年後に書かれた「吾妻鏡」。この書物は時の執権北条氏により編纂されたため、北条寄りの記述が目立つ上、義経討伐に関する記述に曖昧な点が多く、つじつまが合わない日付などが散見するため、江戸時代になってから提起された、いわば「話題」のひとつ。
この話題を取り上げた人物には超有名人が多く、林羅山、新井白石、水戸黄門で有名な徳川光圀などゴロゴロ出てくる。光圀が編纂した「大日本史」の中で、吾妻鏡の記述は怪しいと記載したために、光圀が指示した蝦夷地の調査が、義経北行伝説の調査だった!なんていう話まで飛び出す始末。そもそも文字文化を持たないアイヌ人に、500年前に来た義経のことを知っているか?と尋ねて、知ってますと返事が返ってくるわけがない。さらに、義経が大陸に渡りチンギスハーンになったと言い始めた人物がいる。それがあのシーボルトである。もはや外国人まで参加してのどんちゃん騒ぎ。その後も、間宮林蔵、英国人旅行家イザベラ・バード女子、金田一京助など、様々な人物による論争が起こるも、現代に於いても誰一人として解決はしていない。

北行伝説の元になったのが各地に残る伝説と伝承。北東北と北海道に数多く残る。その地を繋ぐとこうなる。平泉で生き延びた義経は、一関、水沢、遠野を経て釜石へ抜ける。そこから三陸沿いを北上するが、なぜか宮古の手前で早池峰山方面に向かい内陸へ。ところがすぐに内陸路を止めて海側へ引き返しまた北上。岩泉、久慈を抜け八戸へ。ここまでは数多くの伝承地が存在するが、青森に入るとグッと数が減り、十三湊を経て龍飛岬手前の三厩に現れる。そこから蝦夷へ渡るのだが、悪天候に阻まれ船が手配できず長滞在したらしい。しかし、その頃は蝦夷地との交易は盛んで、船はバンバン往来していたそうだ。

無事に蝦夷に渡ると、現在の福島町から渡島半島の西岸、江差方面を北上。弁慶岬に到達し、倶知安あたりから羊蹄山の麓を抜け日高の平取へ。ここに義経神社があるのだが、伝承地はそこでは終わらない。平取から海沿いを南下、新冠では館を造り住んだとされ、現在でも判官館公園が存在する。さらに襟裳岬を通過したのだろうか、大樹町、豊頃町、中札内村と十勝平野を横断し、本別町には義経山がある。さらに旅は続き、白糠、釧路と進み、そこから阿寒穂面へと北上し、弟子屈を抜け屈斜路湖へ。知床半島の羅臼に現れると次は斜里町に。当時は知床横断道路は無いぞ!さらに中央部を横断し旭川に出現。最後は最北端の稚内に至る。これは800年も前の話です。そもそも稚内に人は住んでいたのでしょうかね?当然、道路なんぞはありません。地図もありません・・・・。

 

神社の参道口。大きな鳥居と広い舗装された駐車場完備

入口は左記の通りですが、実は社殿手前まで車両で登れます

思いのほか立派な境内と社殿です

参道に立ち並ぶ幟をよく見ると、奉納者は牧場がほとんど、サラブレッドの名前も

社殿の脇には、常盤御前と静御前の供養墓!さすがにやり過ぎじゃないの?

社務所の脇に資料館あり

入館料はここへ投入!

資料館内は実に質素

有料は辛いような・・・・

【住所】沙流郡平取町本町119-1
【電話】TEL:01457-2-2432
【料金】拝観無料/資料館200円
【開館時間】9:00〜17:00(資料館)
【休館日】毎週月曜日(資料館)
【滞在時間】20分
【駐車場】あり/無料

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