焼尻島は面積の3分の1が森に覆われた島です。その中でも雲雀ヶ丘公園・ウグイス谷・オンコの荘と呼ばれるエリアは、特異な景観を見られる国指定天然記念物。車両の進入が制限されており、散策路が整備された森には、ミズナラ・カエデナナカマド・オンコなどの樹木が緑のトンネルを作っています。 焼尻島のオンコの木は、樹皮が赤茶色でギリシャ神話に登場する妖女ゴーゴンの毛髪ような特異な容姿。このオンコの木で形成される森は一種独特の景観を醸し出しています。これは日本海の洋上にあり、高い山がない地形から絶えず強風にさらされるため、樹木は上に延びず横に広がるように成長するために形作られたもの。1983年(昭和58年)、焼尻の自然林は国の天然記念物に指定されているなど、ナチュラリストにはたまらないスポットです。なお、自然林内の散策路は徒歩と自転車のみが通行を許され、エンジンが付いた車両はいっさい進入できません。そのため、散策には相応の時間を要します。徒歩の場合は1〜1.5時間程度確保してください。
今回の取材は、大自然真っ直中超気持ちいい白浜野営場に前日入りし、早朝5:00から歩き始めています!
自然林へ向けて歩き始め。一応これは車道です
5分ほどでオンコの荘に到着。いよいよここから奇異な世界へ突入です!
のっけから見たことない形状の樹木が現れます
歩を進めるに従い、どんどん怪しい形状の樹木が!ちなみに自然林に入っても、散策路はすべて舗装化されており、悪天でも足元は良い!
小さな谷を越えながら進みますが、散策路の整備度は素晴らしい〜
オンコの荘から7分ほどで分岐が現れます
分岐から間もなくウグイス谷に。雰囲気のいい木造橋が架かっています
写真では見づらいのですが、谷を見下ろすと川が流れています。高い山がない焼尻島で川があるとは!
もしかすると湧き水?もしくは雨水が溜まっているだけでしょうか?
ウグイス谷を越えるといよいよ核心部に突入です。様々な形状の樹木が次々と現れます。
ウグイス谷から一直線に歩を進めると、市街地に抜けます。その出口にあるのがこの墓石。幕末期に北方警備を命ぜられた会津藩士が、利尻島から引き揚げの途中暴風雨に遭い焼尻島に漂着。その際に亡くなった藩士の墓で、「文化五年七月十一日、会津小原内匠忠貫墓」と「文化五年七月十六日、会津山内一学豊忠墓」と彫られています。よく考えてみてください、利尻島から焼尻島までの距離、そしてこの焼尻・天売島周辺にはいっさい何もない海原であること。このような非常に小さな島に漂着したこと自体が奇跡といえます。しかし、その後故郷に戻ることは叶わずこの地に没したわけですから、さぞや無念だったことでしょう。北海道各地には北方警備にまつわる史跡・墓碑が数多くありますが、トップレベルの悲話スポットかもしれません。しかし、残念なのは説明板が設置されておらず、訪れた人は詳しい史実に触れることができません。標柱だけではなく解説板も建てて欲しいですね。
散策路の市街地側終点と会津藩士2基の墓
会津藩士の墓を参った後は、一旦来た道を戻ります。その後、分岐を右へ右へと進むと、雲雀ヶ丘公園と呼ばれる区域へ入ります。区域といっても明確な境界はないうえ、植生の変化など、明確な違いがある感じでもなく、なぜこのように別の呼称をしているのかよく判りません。ただ、木製の看板が建っているので、そうなのね!と、いうことなのです。ということで、来訪者に疑問を抱かせないような配慮が必要かもしれませんね。そんな疑問を抱きながら散策路を進むと、ナラの奇木が数多く見られるような感覚がしてきます。オンコの奇木が少ない? あくまでも筆者の気のせいですが・・・・。そうして散策路を進むと、自然林のスタート地点になったオンコの荘に戻ってきます。ゆっくり歩いても1時間ほどの森歩きになります。
白っぽい樹皮の奇木はナラです。ナラってこんなにクネクネしていましたっけ??
散策路に設置されている案内看板です。分岐には必ず誘導標があり道に迷うことはありません。
【住所】苫前郡羽幌町大字焼尻字緑岡
【電話】TEL:0164-62-1211/羽幌町観光協会
【入場料】無料
【開場時間】特に規制なし
【休園日】特に規制なし
【滞在目安時間】60〜90分
【駐車場】あり/無料/トイレ併設
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