天売島は焼尻島と共に日本海に浮かぶ孤島。一周12kmほどの小さな島で、特にコレといった観光施設はなし。マップを見ての通り、展望台からの景観を楽しむスポットがメイン。とはいえ、超絶景スポット目白押しでもなく、観光地としてはやや厳しいかなぁ〜という感じもする。それよりも、天売島が最も誇れるのが、日本で唯一の「オロロン鳥」繁殖地であり、「天売島海鳥繁殖地」として国の天然記念物に指定、また天売島鳥獣保護区としても国の指定を受けています。そのため来島する時期が重要で、4月〜6月であれば100万羽を越える海鳥の乱舞を目撃することができます。筆者は7月と8月の2回訪れましたが、海鳥の乱舞にはお目にかかっていません。となると、夏の観光シーズンでは自然景観を楽しみことがメインになります。なお、マップをご覧のように、天売島は海抜0mの港から海鳥観察舎の海抜150mと、けっこうな高低差がある島です。レンタサイクルでの移動は絶望的です。巡るならマイバイクかレンタルスクーターにしましょう。もしくは徒歩でも一周3時間ほどの距離ですから、ゆっくり歩きながら大自然を楽しむのもアリではないでしょうか。言うまでもなく、天売島と焼尻島はセットで巡るべきで、1泊2日で十分すべてを見て回れます。一生に一度、絶海の孤島巡りはいかがでしょうか!?
天売島最大の観光展望台といえるのが、この赤岩展望台。赤岩埼灯台の足元から、垂直に切り立った岬へ鉄製散策路が設けられており、眼下に広がるコバルトブルーの海面と、左右に広がる断崖の景観はまさに絶景!赤岩はどこに?と探してみる。すると、ず~っとはるか眼下にポツンと目に入る。意外と小さな岩に見えるのですが高さは48m。岩が小さいのではなく、周囲の景観が圧倒的なので小さく見えてしまうのです。この散策路の周囲は海鳥が巣営しているまさに鳥の楽園地。人間様は客として恐縮して歩きましょう。
無数に開いている穴は海鳥の巣。凄まじい数です
駐車場完備。道路の狭さもよく判る
海鳥観察舎の内部、無料のスコープもある
先端部までの小径。この景観も絶品
岩礁の鳥がしっかり見える
千鳥ヶ丘園地というところですが、ここは100万羽の海鳥乱舞が見られるというスポット。断崖絶壁に観察舎が設置され、乱舞を眺めることができます。最も海鳥が多い時期は4月〜6月で、8月の夏休みシーズンでは数がめっきり減ってしまいます。繁殖期に訪れることが出来ない人は、絶景ともいえる断崖と、わずかながらも優美に舞いを見せる海鳥の姿を見るにとどめることになります。が、それでも訪れるだけの価値が大いにあるスポットといえます。ちなみに、ここは天売島の海岸線で最も海抜が高い地点。断崖の絶景感があるのはこの高さ由縁でしょう。海抜154mあります。
高さ100mを越える断崖絶壁は圧巻
千鳥ヶ丘園地方向を望む。断崖絶壁の迫力はさほどかな
観音岬園地というスポットに移動してきました。地図を見ても判るのですが、岬というほど突端感はありません。また、先に見てきた千鳥ヶ丘園地ほど高度感がなく海抜も137mほど。島の西側に続く断崖は、こちらから見るとそれほど絶景感は感じられません。目を北側に移動すると、天売島の先端部ゴメ岬と灯台が目に入ります。断崖絶壁は収束しており、たおやかな孤島の景色が広がります。自分が立っている小さな島と無限のように広がる海原しかない景色。もしも都会暮らしでストレスの多い生活をされている人なら、この空間はどう感じるでしょうか。一生に一度渡る価値があると思います。
北側にある天売島台が見えるが、絶景感には乏しいかな
展望台の様子
燈光会の説明板はカラフルバージョンが
足元まで行けます
この灯台は海抜65mに建ち、天売島の位置を示すために建造されたもの。これといった特徴はなく、灯台マニアとしても心躍るものではないのですが、やはり孤島に建つ灯台として足を向けずにはいられません。足元にはお決まりの「燈光会」の説明板があるのですが、インクジェット印刷によるカラフルバージョン。金属板仕様から交換されたのだろうと思いますが、インクジェット看板は10年と持ちません。いいところ5〜6年。従来の金属板の方が長持ちするものを・・・と余計な心配をしたり!
天売島灯台から少し下がった所にある愛鳥展望台から天売港を見下ろす
展望台というほどの高度感はなく、コンクリート製の東屋がある
展望台の名になっている愛鳥の碑。が、しかし、肝心の碑は壊れてナシ。海鳥を持つ白い女性の像であったが、今は台座のみが残る
天売島最後の話題は郵便局!この郵便局には「来局証明書」の発行手続きが行えます。手続きというのがミソで、証明書というのは普通のはがき。裏には来局証明の印刷とゴム印が押された簡素なもの。この手作り感がいいのですけど! このはがきを購入し、自分宛ての住所を自分で記載し窓口に差し出します。後日、旅から帰ってくると天売島から発送されたハガキが届くという仕組み。ハガキが届くのは当たり前なのですが、なにか自分へのご褒美みたいで地味に嬉しいのです。天売来島記念には忘れずに!!
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