有名だけどガッカリポイント_カムイワッカ湯の滝

今や行く価値ナシとなった秘湯です

硫黄山を源とするカムイワッカ川の滝壺が温泉となっている、正真正銘の天然露天風呂!ところが2006年の世界遺産登録から規制がかかり、入渓口から100m先の一の滝までしか行けなくなりました。この滝壺では湯温が30度程度で、とても入浴できない状態。さらにハイシーズンの8月1日〜25日の間は、マイカー規制のためシャトルバスを利用。往復1,300円を支払ってまで行く価値がない!といえる観光地になってしまいました。

 カムイワッカ湯の滝、顛末記

筆者がカムイワッカ湯の滝のことを知ったのは、かれこれ40年ほど前のこと。友人がどこからか情報を嗅ぎつけ、夏休みに原付を駆って訪れたのです。その土産話は極地探検でも成功した人間のごとく興奮して話すのでした。その話を聞けば、自分もいつかは行ってみたい!そう思わない人はいないというほど。それから数年後、筆者は会社の先輩と共にGW休暇を利用して知床を訪れました。この時分、知床はまだ観光地と呼べるまでになっておらず、道内の人といえども滅多やたらに訪れない秘境でした。当然、知床横断道などはない時代。

YHに泊まった我々は、翌日早朝にカムイワッカの温泉に入りたいとオーナーに話すと、「行ってもいいけど命の保証はできないよ」という返答。それは冗談でしたが、朝はダメ、日中に行くようにと注意されたのです。その理由はもちろん熊です。実際、湯の滝まで往復した1時間ほどの間、そこに居たのは我々2人と大学生の旅行者4人だけ。もしかすると半径数キロ以内では熊の方が多かったかもしれません!?

40年ほど前、熱々の湯壺でご満悦の筆者

時は過ぎ、カムイワッカに再訪したのは2004年のこと。すでにカムイワッカは沢登りが普通となっていました。私は、沢を登っていく人たちを見てとても違和感を感じたのです。というのも、初めてカムイワッカ湯の滝を訪れたときは、一度も水に浸かることなく湯壺に辿り着いているのです!つまり、現在のように沢を登るのではなく、沢沿いに登山道があったのです。2004年再訪の折、この記憶を実証するために、沢の左岸斜面をよじ登ってみました。ありました! 確かに人が歩いたと思われる踏み跡です。以前は間違いなく登山道があったのです。そこで疑問が湧きました。なぜ、沢水に浸かることなく最高地点の湯壺まで行ける道があったのに、あえて危険を伴う沢登りコースが確立したのか? まったく不合理なことなのです。いろいろ調べましたが、解答は得られませんでした。

現在は、水温30度程度しかない一の滝までしか登れません。沢登りで怪我人続出というのが理由のようですが、昔のように登山道を歩いていけばそのような危険はないはず。真意は分かりませんが、世界遺産登録と共に観光客が閉め出された形となったカムイワッカ。北海道の貴重な観光財産がひとつ減ったと感じるのは筆者だけなのでしょうか?

川の右岸にある入渓口、昔の登山道は左岸にあったのだが

沢登り中、本来は遡行装備が必要なはず

2005年までは、温泉と呼べる温度の滝壺まで入渓できたのだが

林道、知床公園線の通行規制について

カムイワッカ湯の滝までの林道、知床公園線(知床五湖〜カムイワッカ湯の滝口/約10km)の通行については、期間限定でマイカー規制があります。まず、林道通行可能期間は、6月1日~10月下旬です。その中で、8月1日~8月25日の期間は一般車両の通行は禁止となり、シャトルバスでのみアクセスできます。それ以外は自由に走行できます。なお、徒歩・自転車はマイカー規制の対象外です。ちなみに、シャトルバスの運行は、8月1日〜25日の一般車両規制期間のみです。マイカーやバイクを持たない人は、レンタカーもしくはタクシーの利用が必要です。

林道はフラットダートで道幅も広い部類。オンロードバイクでも頑張れば走れます。

駐車場はクルマ15台ほど。お盆休みやハイシーズンの週末は激混みします

 

●料金:無料 ●滞在時間:30分 ●住所:斜里郡斜里町字岩尾別 ●TEL:0152-24-2114/知床自然センター ●駐車場:あり/無料 ●期間:6月1日~10月下旬 ●GPS:北緯44°09′14″東経145°07′45″ ●シャトルバス:知床自然センター発:1,300円(往復)

 

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