知る人ぞ知る明治新山は恐怖の山かも

昭和新山は超有名ですが
明治新山もあることは知られていない

明治新山は別称で、正式名称は四十三山(よそみやま)といいます。明治43年に生まれたためこの名称が付けられました。そうなんです、この四十三山は1910年(明治43年)に火山活動により生成した側火山。同年7月25日に有珠山が噴火。この噴火に伴い8月1日ころから東丸山と西丸山の間に位置する洞爺湖岸で隆起が始まり、わずか3週間で150mも隆起し、標高210mの新山が完成したもの。現在の標高は海抜252mとなっています。この明治新山にはトレッキングルートが整備されており、山頂には展望台も設置されています。またルート上には明治の噴火でできた噴火口跡も見ることができます。

ということで、拝旅調査班は現地に赴き探索を開始。トレッキング路は想像を超える素晴らしい整備度で、これは2009年に洞爺湖有珠山ジオパークが、世界ジオパークネットワーク加盟の認定を受けたことによるものです。調査班はトレッキング路の東口から入ったのですが、15分も進まぬうちに通路上に大きな落とし物に遭遇。大量のクマの糞です!その後も累々とクマの糞にご対面。明治新山は樹木に覆われた山ではあるものの最初の糞と遭遇した地点は、近くにある団地から直線距離でわずか150mしかありません。もしも熊に襲われ悲鳴を上げれば聞こえる距離です!! 明治新山は完全に熊の巣と化していました。逆の見方をすれば人間と熊との共存がなされている、もしくは棲み分けができているということなのかも知れませんが。

ということで、熊鈴をしっかり鳴らし、熊撃退スプレーに片手を掛けながらの進軍と相成りました。旧火口をグルリと巡り山頂展望へ。下の写真をご覧頂ければ判りますが、徒労に終わった展望台訪問。その後、熊に遭遇することなく無事下山。トレッキングルートの分岐には判りやすい道標が設置され、要所要所に親切な説明板も立ち、誠によく整備された所であり、学術的にも貴重なスポットでもあり、ぜひ、足を運んで頂きたいところなれど、命の保証ができないというオマケ付き散策路。ここに行ってみたい!と、思われた諸氏。絶対単独では行かないことを進言いたします。なるべく多勢でワイワイ言いながら行きましょう!

洞爺湖有珠山ジオパークWEBサイト掲載のMAPを拝借しています

ルートの東口
車両は自由に停められますが急勾配の傾斜地です
特にバイクで坂道Uターンできない人は要注意です!

これよりルートに突入です

すぐに林道を横切り石段の登り口
「熊出没注意」の立て看板あり

山ですから、ずっとこのような登りが続きます
途中、何か見えてきました(ピンクの丸)

上の画像を拡大したのがこれ!

分岐には立派な道標が

こんな立派な説明板も

火山であることが判るスポットも

今でも噴気が上がっています

樹木に覆われ良く判りませんが、直径50mほどの火口跡です
現地ではクレータ形状が良く判ります

火口跡を一周して山頂へ

樹木が伸びてな〜んにも見えません・・・無念

昔は坊主山で好展望だったようです

下山中に撮影

よくぞ無事でした・・・

【住所】有珠郡壮瞥町洞爺湖温泉 四十三山
【電話】TEL:0142-75-2446/洞爺湖温泉観光協会
【入山料】無料
【入山規制】特に規制なし
【滞在目安時間】90分
【駐車場】あり/無料/急傾斜注意

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