この建物、離島ならではの重要な役割を果たした旧家を資料館として一般公開しています。小納家は石川県の出身で、焼尻島に移り住んでからは、漁業や呉服、雑貨商を営んでいた家柄。その建物は住居付き店舗で、さらに郵便局・電信局も併設しており、現在でいえばコンビニに郵便局とNTTが同居していたような建物だったわけです。建築は1900年(明治33年)で、寄棟屋根に矛型の屋根飾りがあるなど、当時としてはかなりモダンな洋風建築物でした。当主はそれなりのお金持ちだったことは容易に想像できるのですが、相当の見栄っ張りだったのか、屋根に用いた亜鉛鉄板はイギリスから取り寄せたのだそうです。館内の展示物は、巷の郷土資料館に展示されるそれで、特に目を見張るものはありませんが、離島ならではの複合施設としての造りを踏まえて見学すると、旧家ファンには楽しめる建物といえます。北海道指定有形文化財ですが、国指定でもおかしくない見応えのある資料館になっています。
入館して最初に入るのが店舗部分、かなり立派な構えです
この時代のお金持ちには必ずある土蔵蔵
中には民俗資料を展示
木製の時代に、なんと陶器!
縁側の外にガラス戸の壁!現代ならサンルームでしょうか
室内は思いのほかシンプル
廊下も広くガラス戸のみの外壁。ハイカラな造りです
裏口と台所の様子。使用人を含めて何人が暮らしていたのか判りませんが、この広さは凄いですね。排煙のための吹き抜けもあります。
電話交換台が当時のまま展示されています。北海道生まれの筆者ですが、初めて自宅に電話が来たのは昭和50年代のことです。それを考えると、この時代に離島に電話が敷設されていたとは驚きです。
【住所】苫前郡羽幌町大字焼尻字東浜183
【電話】TEL:0164-82-3392
【入館料】330円
【開館時間】9:00~16:00
【休館日】期間中無休 / 10月~翌4月は冬期閉館
【滞在目安時間】30分
【駐車場】なし
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