資料館ほろいずみは、郷土資料館と水産の館の2館構成となっています。館名の「ほろいずみ」は、えりも町の旧町名が幌泉町だったことにより、昔の苦労を忘れないために名付けたとのこと。筆者は取材名目で各地の郷土資料館に入りますが、正直言って、町立レベルはよほどの目玉がない限り入館しません。巷の町立郷土資料館は、土器、民具、農機具などの展示がパラッとで、聞いたことのない開拓者のおじさんのことなどをパネルで紹介。で、終了というパターンが大半です。しかし、えりも町はネタが実に豊富なのです。蝦夷地時代は地理的にも重要な拠点であったこと、蝦夷地初の街道の開削地であること、それに伴い著名人が多数訪れている。国家的大事業となった黄金道路の建設や百人浜の緑化事業、さらに日高昆布の名産地でもある。失礼な言い方になりますが、これらの情報が町の規模に見合わないとても立派な展示で見られるうえに、入館料が無料という大盤振る舞い。あえて入らない理由が見つかりません!
もう一方の水産の館は、えりも町の漁業に関する資料を展示していますが、郷土資料館とは対照的に手作り感満載の格安資料館。その中でも目を引くのが、えりも名産の昆布に関する展示コーナー。ツーリングシーズン中、昆布漁の風景や昆布干しの場面に多く出会うはずです。わかめと昆布がどう違うかわからない人、昆布が最初から黒いと思っている人、昆布の長さが10m以上あることを知らない人はぜひ行って勉強して下さい。灯台公園のビフォー&アフター写真も見られますよ。
北海道が誕生し、日高山脈が成立され、人間が土器や石器を使う時代が訪れ、蝦夷地の開拓が始まると、山道が開削されて有名人が訪れ、大枚をはたいて黄金道路を造り、森を砂漠にしちゃったので緑化事業がんばりました、という長大な歴史をけっこう立派な構成で見せてくれます。なぜ無料? 200〜300円程度なら文句はでないでしょう、という充実した内容の資料館です。
なんといってもメインの展示は、この昆布の標本コーナー。昆布に関する「へぇ〜」をたくさん知ることができます
【住所】幌泉郡えりも町字新浜207
【電話】TEL:01466-2-2410
【料金】無料/入館料
【開館時間】9:00〜17:00
【休館日】毎週火曜日・祝日の翌日・年末年始
【滞在時間】30分
【駐車場】あり/無料
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